創作スタイルとプロセス

大嶽一省の数々の作品は、どのように生まれるのでしょうか。創作スタイルとプロセスをご紹介します。

【1】ひとつのモチーフをベースに、数多くの作品(BIRDコレクションをご参照ください)を生みだしていく。ピクトのようなスタイルで、どの1作品もオリジナルな形容をしていながら同じイメージを感じるような創作をしている。


【2】使用画材は、電子ペンでタブレットをベースで描いている。基本的には線でモチーフのアウトラインを描いたあとに、カラーパレットによって色をはめ込んで(ぬりえのような行為で)表現していく。作品のほとんどがコンピュータをプラットホームにしている。


【3】使用ソフトはクラリスワークスのペイントが中心である。できるだけ簡易なソフトと家庭用のプリンターで制作することも、技術を追いかけて背伸びしたくないからである。

【4】プリントアウトした用紙を2枚用意し、その1枚の一部を切り取り、もう1枚にかさねて貼り、やや浮かして立体に仕上げる事によって、半立体の造形にする。デジタルとアナログの両方の手法を生かした作品である。これも、3Dに代表されるCGの表現にはない、やわらかい魅力を感じてもらいたいからである。また、「BOURBON」は、ボトルのラベルの部分をペーストしたのち左右を105%に拡大する。それを左右あわせて貼り込むことによって5%分のあまりができる。 そうすることで、半立体を生みだす。上記の制作プロセスにくわえて、作品のなかには半立体の加工を、約2ミリの発砲スチロールを重ねる手法で仕上げているものもある。

【5】「BIRD」等のワークショップでは、作品にふれた人が容易に作品づくりに参加できる試み(コラボレーション)をしている。コンピュータにストックしている作品を取り出し、自分の好きな色をつけていき、ひとりひとりのオリジナルな「BIRD」等を創ることができる。また基本のアウトライン(フォーマット)を使っているため、参加した人が僕の作品に「仲間」意識を感じるような仕組みになっている。これは、コンピュータを媒介にしているからこそできる手法であり、こういう機会を通じてはじめてコンピュータにふれる人をふやしていきたい。

【6】作品は、オリジナル制作した額に入れている。作品が半立体なために、昆虫採集箱のような額の中が空洞になるよう仕上げている。額の色に合わせて、内側の縁も同じ色に彩色。また、紫外線をカットする特殊な2ミリ厚のフィルムをガラス額の代わりに使用し、作品の色褪せを押さえている。

【7】使用する用紙は耐光性のすぐれたエプソンPM紙。印刷様式は、彩色が鮮やかなインクジェットで、エプソンPM3300Cで出力している。

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